美白に効く!トラネキサム酸とは?
女性にとってお肌の悩みは尽きないものです。
そのお肌の悩みは年齢で異なり、20代なら毛穴、30代ならシミ、40代ならシワなど年を重ねるごとにお肌の悩みは増えていきます。
特に、紫外線や加齢により「シミ」や「肝斑」が増え始め、憂鬱な気持ちになってしまいますよね。
そんなお肌の悩みに効果的なのが「トラネキサム酸」という成分です。
今回はトラネキサム酸の特徴をご紹介します。
普段の日常生活ではあまり耳にすることのない「トラネキサム酸」。
実はこのトラネキサム酸には5つの特徴があり、女性の美白維持のために欠かせない成分なのです。
アミノ酸の内の1種類
必須アミノ酸9種類の内の一つであるリシン(リジン)を元に人工的に生成されたアミノ酸の1種類です。
そもそもアミノ酸って何?
人の身体は60%が水分、20%がタンパク質、15%が脂肪、残りがその他の成分で出来ています。
タンパク質は筋肉や髪、爪、皮膚などの組織を作る重要な役割がある成分です。
このタンパク質を構成する物質を「アミノ酸」と言います。
ですので、身体の20%はアミノ酸で出来ているとも言えます。
人は米や肉、魚などのタンパク質を食べると、それが体内で様々なアミノ酸に分解され、再度必要なタンパク質へ変化します。
アミノ酸は様々な組み合わせで味が変わり、苦味やうま味、甘味、酸味を持っています。
「リシン」とは?
タンパク質を構成するアミノ酸は20種類あり、その内9種類が「必須アミノ酸」、残りが「非必須アミノ酸」と呼ばれています。
必須アミノ酸とは体内で生成することができず、必ず食べ物から摂取しなければいけないアミノ酸で、この部類に属するのが「リシン」という成分です。
リシンは疲労回復効果があるアミノ酸として知られています。
また、集中力を高める効果もあり、脳の働きを活発にさせる重要な役割を担っています。
しかし、小麦や米などの穀物にはリシンの含有量はとても少なく、大豆などを一緒に食べ合わせることによって補う必要があります。
もし、リシンが不足すると、疲労がたまり、集中力の低下に繋がります。
めまい、吐き気、充血といった症状を引き落とす可能性もあるため、効果的に食べ物やサプリメントを摂取することが大切です。
反対に、過剰に摂取し過ぎてしまうと、腎不全を引き起こしてしまいますので、バランスを考えましょう。
シミ・肝斑に効果がある成分
先ほどからお伝えしている通り、トラネキサム酸はOTC医薬品(一般用医薬品)の中では、「シミ」や「肝斑」に効果のある成分として長く用いられています。
シミや肝斑に対してどんな働きがあるの?
人間の表皮には「ケラチノサイト」と呼ばれる細胞が多く存在しています。
ケラチノサイトに紫外線や女性ホルモンが攻撃することで、「プラスミン」という酵素が肌の奥に眠る「メラノサイト」という色素細胞に信号が伝わります。
このメラノサイトに信号が伝わることによって、「メラニン」を発生させ、メラニンがケラチノサイトに溜まり続け、結果、「シミ」として肌の表面に現れるのです。
肝斑は、女性ホルモンの乱れが原因で起こる左右対称のシミのことで、発生の仕組みはシミと同じです。
トラネキサム酸は、このメラノサイトへ送られる信号をブロックし、メラニンの生成を抑える働きがあります。
あくまでも、メラニン発生を抑制する働きがあるだけであって、シミや肝斑の原因である女性ホルモンに直接働きかけるわけではありません。
酵素とは?
人間は食べ物を食べることによって、体内で消化吸収され、物質は分解、結合を繰り返します。
そういった化学反応が休むことなく、毎日体内で起きていますが、この化学反応を円滑に進めるために必要なのが「酵素」です。
酵素がないと、人間は細胞を一つ一つコントロールできなくなり、生きるためには必要不可欠な存在です。
人間だけではなく、植物や動物など、生命が宿るもの全てに酵素は存在します。
しかし、酵素は1日で作り出す量に限りがあり、偏った食生活やストレス、疲労によって量のバランスが悪くなってしまうと、酵素不足で体にあらゆる症状として現れます。
例えば、便秘が続いたり、めまい、吐き気、イライラなどを引き起こします。
また、体の不調とまではならなくとも、体臭が強くなった、食後は眠くて仕方がないなど、これも酵素不足のサインなので、見落とさないようにしましょう。
また、酵素は年齢とともに、働きが弱まってしまう(生成される酵素の量が減少)ので、日頃から酵素を摂取する習慣をつける必要があります。
シミや肝斑以外にも効果がある?
トラネキサム酸は「抗炎症作用」「抗アレルギー効果」「止血剤」としても用いられている成分です。
例えば、急性上気道炎(通称、風邪)に対して、抗炎症作用を期待してトラネキサム酸のお薬を処方したり、出血の要因が不明な症状に対してトラネキサム酸を投与したりと、活躍の幅がとても広いです。
また、炎症を引き起こす酵素の一つでもあるプラスミンを抑制する「抗プラスミン作用」の働きもあるため、口内炎やニキビ跡、肌荒れに効果的です。
しかし、トラネキサム酸は嘔吐や発疹などの副作用が生じることもあるため、安易に使用してはいけません。
生理にも効果的
実はトラネキサム酸には、生理時の出血量を減らす効果も立証されています。
ナプキンが1時間ももたず取り替えてばかりや、レバーのような血の塊がたくさん出ているなどの症状がある場合は「過多月経」の可能性が高いです。
過多月経により、「子宮筋腫」や「子宮内膜症」、「子宮腺筋症」などの病気を引き起こす場合があります。
そうならないために薬物治療として、血液の調子を整える「トラネキサム酸」が多く用いられています。
「過多月経」も女性ホルモンの乱れが原因で起こる症状なので、トラネキサム酸は女性の味方として大活躍の成分ですね。
子宮筋腫とは
「子宮筋層」と呼ばれる筋肉でできた子宮の外側の層にできるコブのような腫瘍ができる病気です。
子宮筋腫が発症する明確な理由は未だ不明ですが、子宮筋腫が大きくなると、流産や早産の原因となります。
子宮内膜症とは
子宮内膜の組織が、子宮以外の場所で増殖したり剥がれたりする病気です。
特に、卵巣に子宮内膜症ができてしまった場合は、卵巣が腫れ、不妊の原因となります。
子宮腺筋症とは
下腹部や、腰など、激しい生理痛に襲われるのが特徴です。
出血量も多くなり、それに伴い、貧血を引き起こします。
この病気は子宮筋層で組織が増殖したり剥がれたりを頻繁に繰り返し、結果的に子宮筋層がかたく大きくなります。
厚生労働省から正式に承認されている
1900年代中頃、トラネキサム酸は、「止血」や「湿疹」、「蕁麻疹」などの治療によく用いられていました。
2005年には、株式会社資生堂が、「医薬部外品有効成分」としてトラネキサム酸を開発し、厚生労働相に承認されました。
今となっては歯磨き粉にも用いられるほど、トラネキサム酸の美白効果は認められています。
内服・外用どちらでも取り入れられる
トラネキサム酸は、医薬品として内服・外服どちらでも取り入れることが可能です。
内服
2007年9月4日、国内で初めてシミや肝斑に効果的である「トランシーノ」を第一三共ヘルスケアが発売しました。
トラネキサム酸はもちろん、ビタミンEやビタミンB2などの成分も配合されており、効果を実感するまで2〜6週間ほどかかると言われています。
内服タイプなので続けやすいことはもちろん、継続すればするほど効果を実感できるのが魅力的です。
外用
「トランシーノ」は薬用スキンケアシリーズとしても発売されています。
シミ・肝斑に効果的なトラネキサム酸を美白有効成分として乳液、化粧水、メイク落としなどに配合させております。